【書評】凡を極めて、非凡に至る_『働く君に贈る25の言葉』By佐々木常夫

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photo credit: MudflapDC via photopin cc

僕が子供の頃に流行ったリゲインという栄養ドリングのCMがあります。そのCMのキャッチはこうでした。
「黄色と黒は勇気の印、24時間戦えますか?
ビジネスマ~ン(×2)、ジャパニ~ズ・ビジネスマ~ン!」

今となっては、そんな長時間労働を煽るようなCMはNGだと企画段階でボツになりそうなキャッチですが、働けば働く程売上が上がっていた当時は、長時間労働は一つの美徳とされていたのでしょう。
いや、バブルが弾け、21世紀に突入した後も、価値観だけは相変わらず、残っている会社が多いかもしれませんね。僕もそのような会社で働いていたことがありますし…。
そのような会社に所属していると、なかなかその文化という厚い壁に一人で立ち向かうことは難しいのが現状です。仕事をバリバリこなし、結果を出して立場があがってくれば、自分のやり方を通す裁量権を手に入れることができるかもしれませんが、ヒラからのスタートそれまでの道のりは険しいものになります。
そんな下っ端にとって、神にも仏にもなる存在が「上司」ではないでしょうか?

今回、ご紹介する書籍を執筆された佐々木常夫さんは、著書も多数あるためご存知の方も多いと思います。精神障害の息子、そしてうつ病を患った妻たち家族を支えるため残業など長時間勤務ができなかったにも関わらず、勤務先の東レでは結果をだし取締役まで務められた方です。

本書は社会人になったばかりの甥「遼くん」に、手紙でビジネスパーソンとしての心構えや仕事術を伝えようとしている形式で進んでいきます。
という構成のため、社会人になりたての若者が主なターゲットなのかもしれませんが、僕のように一度人生に迷い脱落しかけている30代の世代にとっても、もう一度立ち上がろうという勇気を与えてくれると思います。
そんな本書を僕なりに「チェンジ」(変える)というキーワードに据え、重要なエッセンスを抽出してみます。

まず前提として「時間」への意識を変える

佐々木さんは自身の公私に渡る経験から「ワーク・ライフ・バランス」の推進者として知られていますが、非常に「時間」を意識しています。自身が使える時間が制限されていた中で成果をあげようとしたため、普通の人以上にその部分を強烈に意識しなければいけなかったのでしょう。

「私たちに与えられた時間は有限です。体力や集中力にも限りがあります。
だから、いい仕事をしようと思ったら、「最少投資」で「最大効果」を求めなければなりません。」(P94)

「仕事で最大のパフォーマンスを上げるためには、タイムマネジメントが極めて重要です。ただ、勘違いをしてはいけません。タイムマネジメントは、時間を管理することではありません。仕事を管理することです。」(P96)

僕も前述の通り、なんとなく会社に長時間いたり、また長時間いることを強いられた職場にいたため、どうも油断すると当時の習慣の名残か「長時間勤務=良いこと」と無意識に頭が考えてしまう節があります。まず、ここを根本的に変えることがまず第一でしょう!

言葉を変える

「言葉」の大切さは多くのビジネス書等でも語られていますが、言葉、そして話し方を見直してみましょう。その際、佐々木さんがアドバイス話し方の鉄則は「簡にして要」です。つまり、

「簡潔に、的を射た話をするように心がけなさい」(P107)

ということです。これがなかなか難しいんですよね。僕は現在、あまり話す機会が多くない分、ブログを書く時に意識するようにしています。「書く」と「話す」では異なることが多いでしょうが、根っこは同じでしょうし…。ただ、意識してても難しいですが…。

習慣を変える

言葉を変えたら、次は習慣を見直してみましょう。

「君に与えられた才能は変えられないかもしれません。しかし、
よい習慣を身に付ければ、その才能を超えることができる」(P174)

と習慣の大切さも書かれています。ここで提案されていることは、早起きをする、メモをとる、礼儀正しく振舞う、一歩先の行動を心がける、人のよいところを見るようにする、など誰もが一度は耳にしたことがあるようなことだと思いますが、日常的にそれらができているかと自分に問いかけてみると、できてないことが多いと思います。
特に気をつけたいと思ったのが、礼儀正しさです。佐々木さん曰く、この礼儀に関してはできている人が意外と少ないといいます。形だけで中身、つまり心がこもっていないということです。ビジネスマナーってあまり日常的でないことが多いので、つい知識として覚えた形式を再現することに気がいってしまうことが多いのはいけない癖です。

仕事のやり方を変える

習慣を変えたら、次は仕事のやり方も見直しますか!

「仕事ができるかできないかは、「能力の差」よりも「仕事のやり方」(=勝利の方程式)の差が大きい。正しい仕事のやり方を身に付ければ、少し暗いの能力の差は克服することができる。」(P61)

僕のような凡人は、つい何か失敗をしたり、すごい出来る人の仕事ぶりを目の前にすると、自分の能力の差に卑下してしまいがちですが、能力の差じゃない!仕事のやり方の問題だ!と発想の転換(?)をすることはメンタルにもいいでしょう(開き直りすぎたら、それはそれで問題でしょうが…)。
それではその仕事のやり方はどうやって学ぶのか?
それは「真似る」です。
これは僕も普段から強烈に意識しています。前述の習慣のところで書いたように、人のよいところを見るように心がけていると、どんな経験からも「この人のこんなところは真似してみよう!」とか思えるようになります。

「凡を極めて、非凡に至る――。」(P63)

これが成長の秘訣ですよ。
あ、あと、仕事のやり方に関連することで、もし嫌な上司にあたってしまった場合に、4つの「部下力」を身に付ければうまく対応できるという話も「なるほど!」と感じました。その4つを要約すると、
①上司の注文を聞く
②上司の強みをいかす
③上司ごとに相応しい報告(会話)方法を選ぶ
④(事前の報告を心がけ)上司を驚かせない

あなたの「部下力」はいかがですか?

自分を変える

仕事のやり方を変えたら、最後は自分も変えますか!
佐々木さんは今でこそ、家庭も仕事も落ち着いたそうですが、一時はもうだめだと考えたことが何度もあるそうです。ただ、数々の試練も、それが自分の運命なんだと受け入れ、自分を見捨てずに生き抜くことができたのはお母さんの言葉の支えがあったからだそうです。

運命を引き受けて、その中でがんばろうね。
がんばっても結果がでないかもしれない。
だけど、がんばらなければ何も生まれないじゃないの――。(P179)

程度の差こそあれ、誰でも困難はあると思います。僕もつい、自分の不遇を逃げの言い訳にしてしまいそうな時がありますが、不幸自慢をしていては前には進めません。
最初はお金が欲しい、えらくなりたい、というような欲でもそえを原動力とし、「それでもなお~」となりたい自分のイメージに追いつくために努力を積み重ね、自身を磨き続けることが大切だと著者は説いています。
本書のなかでは、成長角度が上がる最大のチャンスは20~30代前半で、この時期の過ごし方でその後の仕事人生はおおかた決まると書いてあり、「すでに手遅れなのか?」と焦りましたが、そのすぐあとに、まれに40代後半からじっくり伸びてくる人がいるとも書かれていてホッとしました。
そのような人の素質とは何か? それは、
「ひたむきさ」
だそうです。焦らず、一歩ずつ、ひたむきに取り組むこと。
僕の人生もまだ道半ばです。一発逆転も魅力的ですが、「ひたむき」に努力を積み重ねていくこと、それが結局は自分を変える唯一の方法なんだなぁ、と本書を読みながら感じました。


↓今回ご紹介させていただいた『働く君に贈る25の言葉』がビジネス面を強調した内容であるのに対して、『ビッグ・ツリー』は、よりプライベートな面を強調した内容になっています。
僕は、自分の過去とかぶるところもあり、非常に感銘を受けました。精神障害に関する家族の関わり方は難しい面があり、実際には正しい対応の仕方なんてあるようでないものだと思ってますが、他のレビュー等を拝見すると、佐々木さんに対して批判的な意見もありますね。
もし、内容がかぶるところが多いので、2冊とも読む必要はないと思いますが、もし、ご興味があるかたは『ビッグ・ツリー』も読んでみてください。

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