それでもまだ動けない自分ですが…_『最後だとわかっていたなら』Byノーマ・コーネット・マレック

こんばんわ。

人、音、本、何にでも当てはまると思いますが「出会い」とはホントに不思議なものですよね。自分が求めているのに出会うことができなかったり、その逆で求めもしていなかったのに偶然出会ってしまったり…。 宗教的にいうと、こういう出会いを「運命」というのかもしれませんが、僕にはどうも「縁」という言葉のほうがしっくりきます。

本日ご紹介させていただく本も、何らかの「縁」があったのだと思います。

本書は、本編は40ページ程。

見開きに断落としで使われた写真の上に、原文である英語と、本書の翻訳者である佐川睦さんの日本語訳が配置されるという絵本のようなシンプルな構成の詩集です。

恐らく多くの方が、本書を読んで、ニュースで見て、又はネット等で見聞きしてご存知だと思いますが、このノーマ・コーネット・マレックさんの詩は、2001年9月11日、アメリカで起きた同時多発テロの後、世界中に配信され有名になった詩です。

その理由は、「9.11テロの時、救出作業の途中に亡くなった29歳の消防士が、生前に書き残した詩」と紹介されたこともあるからだそうです。

しかし、真相はこうでした。作者であるノーマ・コーネット・マレックさんは、離婚して親権を得たにも関わらず夫が息子2人を連れ去ってしまい離れ離れになってしまい会えない日々が続きました。そして、その失踪の2年後に長男に会えたのは、溺れて亡くなった後でした。その長男に伝えたかったけど、伝えられなかった想いを綴ったものが、この詩なのだそうです。

つまり、作者の意図とは、違った形で有名になってしまったそうです。
ただ、佐川さんが書かれた「おわりに」のなかで、こう書かれていました。

 ノーマン自身も、自分の詩がチェーンメールで勝手に出回ったことを知らなかったわけではない。戸惑いを感じつつも、しかし平和的に読まれていることについて、むしろ光栄に思っていたようだ。

昨年の大震災や津波、それにより発生した原発事故など大変な出来事が多発しているため、多くの人が「命」「家族」などについて改めて考えたという人が多いと聞きます。この詩の一説にこのような言葉があります。

たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで
今日で全てが終わるのだとしたら、
So just in case tomorrow never comes,
and today is all I get,

夜ベッドに潜り込み目を閉じて、朝目を開けると当然のように明日という日はやってきます。これは意識しないと本当に当たり前過ぎて、それが本当は当たり前ではないことに気付かないんですよね。

人は大抵、失ってから気付くもんです。

私事ですが、僕も大切なものを失いそうになって、その大切なものに気付きました。気付いたという表現は変かな。その大切なものがどれだけ大切であったか、ということに気付いたという方があっているかもしれないです。まぁ、僕はまだ完全に失ったわけではないので、その点では非常に幸運でした。

だからこそ、ノーマさんの悲惨な体験から生み出された言葉の重みを噛み締めて、これからの何時終わるか分からない残りの人生、日々後悔のないよう一日一日を過ごしていけたらなぁ、と思っています。

・ノーマさんの詩の原文(英語)はコチラで読めます → Heart Whispers by Norma Marek
Friendships~Family~Memoriesの項目の原題「Tomorrow Never Comes」です。

P.S.
これはあまり本文とは関係あるような無いような内容なのですが、この作者の意図とは違う形で作品が世に広まったという部分を読んで、朝日新聞で掲載させていた「仕事力」という連載インタビューがあるのですが、そのインタビューの山下達郎さんの回でのインタビュー記事を思い出しました。

・原文はコチラです。
→ 山下達郎が語る仕事-4「職人でいる覚悟」
山下達郎さんもこのインタビューの中で、自身の曲が意図とは別にヒットしたことに対して

 それは僕にとってはとても意外なことでしたが、同時に歌の持つ運命だとも思っています。自分の手がけた作品が、それを必要としていただける方々にちゃんと届いていくことが一番うれしい。

と仰ってました。
何となくこのインタビュー記事も心に残っていた記事だったので、紹介させていただきました。

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コメント

  1. saki より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    はじめまして。
    では、いつ動かれるのですか?
    私たちは待っていていいのですか?
    相手の方を大事にされるのは素敵なことです。
    ですが、私たちはなかったことになるのですか?
    唐突で申し訳ありません。