レバメモ『「行政書士」開業初月から100万円稼いだ 超・営業法』

超・営業法
超・営業法 金森 重樹

PHP研究所 2004-02-07
売り上げランキング : 13142

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単行本:223ページ
発売日:2004年2月7日
 真実をお話しなければなりません。
 従来、あなたが聞いてきた先輩のアドバイスや、予備校が出している開業本は、何の役にも立ちません。肝心な「収入を得るためのノウハウ」は誰も教えてくれません。これは、先輩行政書士が営業のノウハウを隠しているわけではなく、実は語るべき営業ノウハウがないのです。先輩たちは許認可手続きについては、多少の薀蓄があるかもしれませんが、マーケティングについては、素人です。
 この本に書いてある内容にすべて目を通してしまえば、「これならオレにもできるぞ!」と感じていただけると思います。でも、感じただけでは意味がない。行動することが重要なのであって、リスクを負うことが重要なのです。実際、この本を読んだとしても、それを確実に実行する行政書士は1%もいないでしょう。だからこそ、実行したあなたは、頭ひとつ抜き出ることが可能なのです。
 適切なマーケティングをすれば、行政書士開業から数年もあれば年商数千万円は十分可能です!
■Part 1 年収300万円と1000万円、あなたはどちらを選びますか?
1. 6割の行政書士が年収300万円以下という現実
 資格学校とか通信教育の教材会社などは、将来有望な「町の法律家」として行政書士の紹介をしています。パンフレットを見てみると「年収1000万円以上可能」などと解説して華々しく紹介しているものもあります。たしかに「年収1000万円以上可能」は間違っていません。しかし、現実には、行政書士全体の平均年収は、その数分の一というのが実際です。
日本行政書士連合会のアンケート結果(1994年5月実績)によると、
年収100万円未満……40%
年収101~130万円…22%
年収301~500万円…12%

だそうです。実に、62%の方が、年収300万円以下なのです。
2. バッジで顧客は集まらない
 行政書士受験生の中には、行政書士のバッジが強力な顧客吸引力を持っていて、「試験に合格すれば食えるようになる」という幻想を抱いている方がいます。そんなことはありえません!
 結局どんな資格であっても、お客さんの財布を開けさせて現金をもらうという活動自体に何ら変わりはないのです。資格の威光やバッジで仕事が取れるとおもったら間違いです。資格に頼って企業まわりをしても、こちらがどのようなソリューションを提供できるか示さないと何の意味もありません。肩書きがあれば、食っていけるほど士業は甘くないのです。
3. 「行政書士は開業から3年は食えない」の嘘
「行政書士は開業して3年は食えない」などいう話をよく聞きます。これらの無責任な発言は、先輩行政書士の方が、自分たちの営業力のなさを隠蔽し、事務所開業からしばらくは食えてなかったという事実を正当化するため以外の何ものでもありません。逆に、開業したばかりでもきちんと食えている人もいるわけですから、この3年という期間には何の根拠もありません。
 実際3年経たなくても、食えている人はたくさんいます。だったら、行政書士の平均年収について、あれこれ思い悩むよりも、少しでも自分が儲かるグループに入れるよう努力をしていくほかないのです。
4. 新人行政書士が抱えるジレンマを解決する法
 新人行政書士が抱えるジレンマとは? 「仕事の依頼がこない」、仮に依頼がきたとしても「仕事をやったことがないので、処理に困る」、だから、「仕事の依頼を断る、もしくはお客を逃してしまう」、それで最初に戻って「仕事の依頼がこない」という負の連鎖です。
このジレンマをどのように解決していけばいいのか? たいていの行政書士業務は役所の窓口で聞いたり、本を読めばできるようになっています。それを、やったことがないからという理由で、依頼を断ることこそが問題なのです。誰でも、最初はやったことがないのですから。
 どうしても自分では手に負えない業務がきたときは、喜ばれますので、先輩に外注に出しましょう。そして、先輩が取り組んだ仕事の成果である申請書などを良く見て勉強しておけば、次から同じ業務の依頼がきた場合には、自分で対応できるでしょう。
5. 学歴、資格コンプレックスの人たち
 資格は、そもそもメシを食っていくための手段ではないのでしょうか? お客さんからみれば、何士であろうが、今自分が悩んでいる課題を解決してくれる人がありがたいのであって、何士かは関係ないのです。自分が何士か気にしているのは、実は行政書士の側なのです。
仮に資格に上と下があるとすれば、それは経済的な成功をしているかどうかです。どちらがより稼いでいるか、それが社会の共通の言語です。
6. 行政書士の強みが最高に生かせる市場とは?
「法律サービス」というマーケットにおける行政書士の位置づけはどのようなものでしょう? たとえば「相続手続」を例にとって考えてみます。関係しそうな士業としては行政書士、税理士、司法書士、弁護士。これらの士業は、相互に重なり合う業務部分を持ちつつ、独自の業務を行っています。相互に重なり合う部分を業際(ぎょうさい)といい、士業同士がいつも小競り合いをしています。
 この中で、行政書士はどの市場を狙うべきでしょう? 相続税が発生する客層は全相続人の5%程度です。この顧客層はもともとお金を持っていますから、大抵はすでに顧問税理士や顧問税理士がいます。つまり、分が悪いのです。行政書士の強みは、後で述べるように、価格競争力にあるので、自分の土俵で勝負しなければなりません。相続人の中で相続税がかからない残りの95%の層も、相続で困る場合があるという点では、同じではないでしょうか? その際に、低価格で業務処理を請け負えば、ニーズはあると思いませんか? これこそがマーケティングです。自分の強みを生かせる市場で、自分のルールで戦うというのが商売の鉄則です。
■Part 2 成功するための心構え
1. お金を捨てる勇気を持とう
「行政書士として十分な売り上げをあげられるようになるために必要な、精神面での心構えをひとつあげてください」という質問があったら、僕はあることを真っ先にあげる。
それは、「お金を捨てる勇気を持つ」ことです。
 お金を捨てると言っても、完全に無駄にするわけではありません。売り上げをあげるための小さな実績(大抵は広告だとか小冊子などのセールスプロモーションに必要なツールに使うためのコストですが)に躊躇なくお金を使ってくださいというだけの話です。
 躊躇なくです。具体的には、月額10万円程度~体力がついてくれば数10万円くらいです。しかも、その金額は全部無駄になるわけではなく、大抵いくらかは戻ってきます。うまくいけば、投資した金額の数倍から数百倍にもなって戻ってきます。
 成功者としての第一歩は、この“お金を捨てる練習”からはじまります。「捨てるお金なんてない」とおっしゃるあなた、開業資金は国民生活金融公庫が非常に低い金利で融資してくれますから、借入れを起こしてください。
 大抵の人は半年間の広告を出し続けることができず、途中で挫折します。なぜでしょう?
①広告費以下の収益があがらないとして、収益の計算を誤る場合
 初回に利益が得られなくても、リピーターになったお客さんから最終的にいくら回収できるかを考えていかないと、初回から儲かることだけ考えていては、どのようなプロモーションをやっても成り立たないことが多い。取引全期間に渡ってトータルでいくらのお金を落としてくれるか、LTV=ライフタイムバリュー(生涯価値、顧客が一生を通じて落としてくれるお金のこと)を考えて広告の効果を考えていく必要があります
②反響がゼロで、反響があるまで辛抱強く試行錯誤できない場合
 広告の反響が全然なくて、ヒットするまで耐えられずに挫折するのです。しかし、反響ゼロの週もあるかもしれません。それをいちいち気に病んでいてもはじまりません。パチンコの台と同じで、あなたがダメだとあきらめてやめたすぐ直後に、他の人がやってきて、同じ手法を使って、フィーバー(大成功)する可能性だってあるわけです。反応がゼロだからダメだと結論づける前に、辛抱強く試行錯誤をしてください
③資金的に余裕がない場合
 別のパターンとしては、お金に余裕がない場合です。お金に余裕がないと、ついつい当たるかどうかわからない広告よりも、支払などの目先の運転資金にお金を使ってしまいます。事務所を始める場合には、ある程度余裕を持った資金計画を立てないと、うまくいく前に干上がってしまいます。支払期限を先延ばしにできるものは、すべて先に延ばして、借入れができるのであれば借入れをして軍資金をつくってください。
2. 借金ができない人は商売をやめなさい
 過大な有利子負債は別として、適切な借金は事業運営にレバレッジ(梃子の力)を利かせるには不可欠なものです。つまり、大雑把にいえば、借入れ金の利息より借入れ金を投下して得られる利益のほうが大きい限り、自己資金だけで事業を展開するよりも借入れ金を導入したぶん、利益がたくさん得られるわけです。
この、梃子の力を利かせるために借入れを起こすということは、会社を経営されている方でしたら、みなさん当然にご存知です。お金のために働くのではなく、お金を働かせるのです。これが、財務レバレッジと呼ばれる、お金を働かせる方法です。
 借金がいけないというのは、給料が一定に決まったサラリーマンが、収益を生まない消費活動に使うために借金をする場合のことをいうのであって、消費活動のためではなく、お金を働かせて収益をあげる活動の場合にはそれによって、収益を生み出せる限り、どんどん借金をすべきです。
3. 失敗をおそれるな
 いいと思うことをなんでもやってみて、失敗したら手を変え品を変えして取り組んでみたらいいのです。楽天的な性格で思いついたことをどんどん実行して、10のうち9失敗して1成功する人間のほうが、沈思黙思して1しか試さない人間よりは、よほど成功の確率が高まります。10実行して9失敗する人間は、いい方を変えれば、100実行したら、10成功する人間なのです。
 成功者は膨大な失敗の上に、成功を勝ち取っているのであって、まったく失敗しないで成功してるわけではないのです。
4. 人の模倣をするな―先駆者利益を取れ
 行政書士の業務は何千種類もあります。先駆者利益を取ろうとおもえば、いくらでも取れるだけの許認可手続があります。人がやってない業務を開拓することで、即そのニッチ分野の権威となれる。
 人より抜きん出たスタンスを築くためには、人と競争のない分野で、業界人に負けない情報収集力を培って豊富な知識を獲得し、抜群の行動力を発揮することが大事だ。
5. 法律家は金じゃない!?
「法律家は金じゃない」「世の中金じゃない」とかいう人がいますが、独立開業者は、まず経済的な安定を目指してください。経済的な安定があって、しかる後に社会正義とか弱者の救済をすれば、ボランティア活動をすればいいと思います。
マズローの欲求5段階説
欲求の段階は、順に①生理的欲求(食欲、性欲、睡眠欲など)、②安全の欲求(健康、経済的な安定)、③所属欲求(集団に参加したい)、④社会的承認の欲求(社会的に認められたい)、⑤自己実現の欲求(自分の能力、可能性を開花させたい)、であるといいます。
稼ぐことに対して心理的にブレーキをかけず、まず経済的な安定だけに意識を集中してください。
■Part 3 成功への足がかりはコミュニケーション能力の向上にある
1. 共感能力が欠如していては成功もありえない
 スタッフの採用面接をしていてよく感じるのは、面接にくる男性は、女性にくらべてコミュニケーション能力が劣るケースが多いです。ですから、男性の方の場合には、心して依頼者のニーズを汲み取るようにしないと、受注につながらないということをしっかり覚えておく必要があります。
 自分のほうが、お客さんよりたくさん話している状態というのはよくないことです。相手方の話を聞く技術というのは非常に大切です。また自分が行政書士だからといって、法律家としての権威を押し付けるような高圧的な態度をとることがあってはなりません。あくまでもお客さんあっての商売です。
2. 弁護士じゃないから断れるという勘違い
「弁護士かとおもって相談にきたのに、行政書士だったら結構です」と断られた、という話をききますが、それが本当の理由ではないケースが多いのです。自分自身が、お客さまんに対して十分な情報提供をして、お客さんの問題を解決する手助けができていれば、お客さんにとって、どの士業であろうが関係ないはずです。
あなたが勝ち取らなければいけない信用は、背広やバッジ、ましてやしかめっ面などで手に入るものではありません。「この人なら安心」と思われるために必要なのは、威張り散らすことでも、卑屈になることでもありません。この両極端な対応はどちらも、資格コンプレックスの裏返しです。
 相手の立場で考え、相手は何がほしいのか、どうしてほしいのか、相手の気持ちに共感してニーズを理解することで、資格も経歴も関係ない「自分自身」を売り込むことができるのです。仕事がない人に限って、自分の主義主張だけは固持していて、数少ないお客をさらに逃していたりします。
3. あなたは貧乏オーラが出ていませんか?
 自信のなさともつながってくる話ですが、貧乏オーラ、貧乏くさい考え方は伝染します。たとえば「どうせ自分は○○だ」とか「○○なんて、できるわけない」など、いいわけやあきらめは絶対に口にしません。口にすると貧乏オーラが出て、物事がうまく運ばなくなるからです。また、口に出さないだけではなく、脳内から完全に駆逐してしまっているのですが、このようにしていかないと物事はうまくすすみません。
 思想の矯正法として、ロバート・アレンは、手首に輪ゴムをはめておいて、もし貧乏くさい考えが頭に浮かんだり、貧乏くさい発言を口に出してしまったら、その輪ゴムをビシッとはじくように奨励していますが、貧乏くさい考え方が染み付いている方は、このような方法を用いるのもいいかもしれません。
 貧乏オーラを完全に駆逐し、積極的に生きていけば、そのパワーはお客さんにも伝わります。地震を持ったあなたの態度が、受注率を高めることになるでしょう。
4. 自信を持って話すために、メラビアンの法則を知れ
 人間が相手とコミュニケーションをするときに、アルバート・メラビアンは、話す言葉の内容はわずか7%しか相手に印象を与えず、視覚・聴覚など非言語的な要素で残りの93%の印象が決まってしまうことを明らかにしています。つまり、相手はあなたが「何をしゃべっているのか」より、「どんな風にしゃべっているのか」のほうに印象づけられるのです。
 たとえば、あなたのしゃべっている内容が、法律的にただしとしても、おどおどして自信なさげに小さな声で話していれば、お客さんは、心配になってきます。逆に、自信を持って発言をして、落ち着いた雰囲気で説明を行い、堂々としていれば、多少伝える内容や情報量が少なくても、残りの93%の情報で、お客さんは信頼感を持ちます。言葉のパワーというものを、動作、表情の力強さというものを真剣に考えてみてくささい。
 業務の勉強をするのもいいですが、勉強にあてる時間の何分の1かでも、相手への伝達方法、印象を学ぶための時間にあてれば、どんな状況でも揺るぎない自信が身につくでしょう。
■Part 4 「お客・情報・金」が集中するビジネス戦略
1. 戦略構築の重要性
 パレードの法則によれば、2割の戦略的に重要な部分が、8割の成果を生み出すので、重要な部分に経営資源を傾斜投入していけるわけです。つまり、戦略的に重要な20%に、傾斜的に事務所の「人・物・金・情報」のリソースを投入すれば、80%の成果は収められるということになります。
 一般的に、マーケティングの4Pといわれる商品戦略、価格戦略、プロモーション戦略、エリア戦略のマーケティング戦略をしっかりと構築してから事務所の展開を図る必要があります。
・Product(製品)
行政書士業務でいえば、商材、提供スタイル、サービスのパッケージなど。
・Price(価格)
行政書士業務でいえば、前金をもらうか、決済条件はどうするか、分割払いを認めるか、値引きなど。
・Promotion(販売促進)
行政書士業務でいえば、対面販売、POP、広告、パブリシティ、イベントなど。
・Place(流通)
行政書士業務でいえば、販売チャネル、サービス提供エリア、立地など。
 業務を開始するにあたっては、これらの4Pを事細かに検討して、それから開業する必要があります。戦略が失敗していなければ、月によって売り上げに多少ばらつきがあったとしても、事務所経営に失敗して廃業ということはありません。逆に集客戦略が正しかったとしても、戦略がまちがっていれば、廃業の憂き目をみることもあります。
3. 「選択と集中」で大きく成功する
 行政書士として、取り扱いが可能な業務は、世の中には2000~3000種類あるといいます。ですが、あなたはこれらすべての業務に習熟することは一生かかってもできないでしょうし、そうすべきではありません。行政書士で大きく成功している方は、大抵外国人の入管手続専門とか建設業専門とか運輸専門とか、ある業界に特化しています。これは、「選択と集中」によって、その業界の情報のアンテナが高くなり、またその業界での人脈、ノウハウが増えるからです。
 名刺にいろいろと書いている新人の方は、その名刺を捨てて、業務を一点に絞り込むことをおすすめします。「そんなこといっても仕事がないから、いろいろやらないと食べていけない」というあなたへ。
あなたの仕事は、はっきりいって、アマチュアの域をでません
4. どうしたら人脈をつくれるか考えていますか?
「選択と集中」が力を発揮する例。たとえば、僕はメルマガを発行するときに、「ひとつのニッチ分野でいいから日本一になろう」と思って始めました。マーケティングが得意だったため、この分野でメルマガを発行して、それを業務に結びつけようと考え、FAXDMのメルマガを発行しました。
 結果的に、FAXDMを突き詰めて考えることによって、FAXDMのメルマガの中だけでなく、マーケティング分野全体で日本一になりました。また、数々のメルマガの発行者たちと友達になり、人脈も急速に拡大しました。
 個人で勝負する業界では、「○○の金森」(○○=自分が強いテーマ)などと呼ばれるようになる水準に達しなければ、意味がありません。マーケティングと行政書士、一見すると何の関係もないような両者が、企業法務というシナジーを生み出しているわけです。
5. 情報発信をするものに、すべてが集中する
 あなたは、自分が得た業務上の情報、あるいは営業ノウハウを同業の人間と共有するために、情報発信をしているでしょうか? それとも、自分のノウハウを盗まれては困ると隠しているのでしょうか? もし後者だとすれば、相手もあなたにノウハウを盗まれては困ると、あなたに情報を与えなくなるでしょう。
 自分では情報を何も出そうとしないものには情報は集まりません。逆に、自分の持っている情報を相手に与えれば、相手もあなたの情報を与えてくれるでしょう。そうすれば、あなたの持っている情報と相手の持っている情報で、コラボレーション(協働)ができるわけです。お互いがもっている情報同士をつなげて新しい事業ができる可能性があります。
6. 価格戦略におけるこんな誤解
 需給の関係は、単純に価格が安くなれば需要が増えて、価格が高くなれば需要は減少するという関係にはありません。PSM(プライス・センシティビティ・メジャーメント)分析という手法が示すように、お客さんは一定以上の安い価格を提示した場合には、「安すぎて品質に問題があるのではないか」と感じます。安いことがかえって、サービスの信頼度を損ない、依頼されないことも十分にあるわけです。
 また、事務所が継続的に運営されて、社会的に意義がある活動をするためには、適切な利益を獲得していく必要があります。料金を安くして、自分の生活が成り立たず、安定的なサービスを提供できなくなるほうが、よっぽどお客さんにとって悪いことなのです。
7. 業際問題をおこさないための法令順守
 行政書士をやっていると、いろいろと業際問題でクレームを入れてくる他士業がいます。といっても、お客さんにとっては、ここからここまでが行政書士の仕事で、ここからここまでが司法書士の仕事、というのは大変に面倒です。その場合、本人申請という形で登記申請書をお客さんに作らせる行政書士もいますが、おすすめしません。これは、司法書士法に違反することになるからです。
 じゃあどうするか? 簡単です。業際問題が発生するおそれがある場合には、最初から、司法書士なり税理士を雇えばいいのです。あるいは、外注先を確保すればいいのです。それが、経営者の発想というものです。
 業際問題は他士業と協働していくことで完全に回避できます。外注先→アルバイト→雇用と事務所のステージに応じて段階的に活用方法を変えることで、固定的なコスト負担に悩まされることなく、あなたの事務所の事業規模を拡大していくことが可能です。
■Part 5 ファックスDMで自動的に顧客を集める
1. 行政書士業務は新規開拓の連続
 行政書士業務はその性質から、リピーターとなる顧客ばかりではなく、常に顧客の新規開拓をし続けなければならない運命にあります。たとえば、相続業務にしても、リピーターになって何回も相続することは通常は考えられませんので、常に新規開拓を余儀なくされる業種といれるでしょう。
 まず、これまでの通販のコストについて考えてみましょう。仮にDMでのマーケティングをすることを考えた場合、一通でだいたい100~120円かかるはずです。そしてつくったDMでも、担当者のところに届く前に捨てられたり、届いても開封されなかったりして、かなり無駄が多い。しかも、キーマン(意思決定者)を探すことは、難しい問題でした。
 でも、DMの半分以下のコストでマーケティングができて、しかも直接担当者のところに届くマーケティング手法があったらどうでしょう? それを可能にするのが、FAXマーケティングです!
2. FAXDMで効果をあげるためには
 FAXマーケティングのいいところは、コストだけではありません。
利点その①
 FAXは初めから開封されているのと同じ状態ですから、必ず読まれますし、文案の工夫しだいでは、かなりの確率で担当者の手元に届くようにすることができます。
利点その②
 FAXマーケティングは印刷物も紙も物理的なものは一切不要です。最初に原案をワープロに打ち込めば、あとは優秀なFAXソフトが自動送信してくれるわけです。
 FAXDMは、DMの一種ですので、ダイレクト・レスポンス・マーケティングの手法が、そのまま使えます。ただし、FAXDMは墨一色ですので、そのぶん訴求方法を視覚にたよらず反響が取れるように工夫する必要があります。そこで、まずDMで適用される原理原則について研究してみましょう。DMの3要素はリスト(名簿)、オファー(提案)、クリエイティブ(表現)です。要するに、誰に、どんなことを、どんなゆうに伝えるかということです。
FAXDMのリスト
FAXDMの配信先リストを収集する方法はいろいろとありますが、一番簡単なのは業界名簿を入手する方法です。これについては、全国の団体名鑑が市販されています。ただ、それだけでは十分ではありません。さらに、深いところまでデータを掘り下げていく必要があるのです。
FAXDMのオファー
 FAXDMのオファーは、レスポンスリストを一定数集めることができて、かつなんでも無料で聞き出そうとする客や、なんでも資料をもらおうとする客を適度に排除できるという二律背反的な要請を満たすように作り上げなければなりません。
FAXDMのクリエイティブ
 FAXDMのクリエイティブで一番の問題は、墨一色しか使えないことと、写真や絵などの視覚的な表現がかなり制限されるという点です。そこで文章を練る必要があります。また、FAXDMの最上部はジョンソンボックス(DMの要点について囲み枠で3行程度に要点をまとめて、周りを囲み枠にしたもの)を活用するなどして、一読了解できるようにする。申し込みフォームについては、最低限自分でフォームに記入してみて、スペースは十分か、記入項目にもれはないか、返信先FAX番号はわかりやすい場所に明記してあるか、申し込みフォームに記入するにはどれくらいの時間を要するかなどを検討してつくりこみをする必要があります。
3. 反響率の考え方で成功と失敗がわかれる
 依頼の際の利益(これは、業務報酬)+追加依頼による利益(これは、派生業務の依頼による利益)+更新による利益(これは、許認可の定期更新などによる利益)+紹介による利益(お客さんが、ほかのお客さんを紹介してくれることによる利益)のトータルで考えることができるか?
 それとも初回投入コスト(最初に投入したマーケティングコスト)>初回購入の際の利益(初回の業務報酬)だけで見るか?
 前者の考え方ができる人は成功します!
■Part 6 広告費を使わず集客する戦略
1. 無コストでできる集客技法
 広告宣伝費をかけなくても、集客効果がある手法として、新聞・雑誌・テレビにニュースとして取り上げてもらう、ノンペイドパブリシティ(以下パブリシティ)があります。パブリシティ戦略がうまければ、広告費を使うことなく顧客を集めることが可能です。また、パブリシティで記事として取り上げられた場合には、同じスペースでも反応率は、広告より何倍も高いのです。
 ただし、これは同じ新聞社の複数の部署にアプローチして、二重掲載されるなどの失敗をすると、二度とその事務所の名前では載せてもらえなくなりますので、PR会社にお金を支払って依頼したほうが安全です。PR会社に頼めば、だいたい20~50万円もあれば、マスコミに流すためのプレスリリース原稿のコンサルティング、記事が掲載されたかどうかを確認するための掲載紙のクリッピング、電話でのマスコミに対するフォローコールなども含めてやってくれます。
2. バイブル商法
 歴史上でもっとも成功している顧客獲得のためのSP(セールスプロモーション)ツールが聖書です。この聖書になぞられて、出版物を出して本で読者を獲得し、販売につなげるのがバイブル商法です。これは、PR効果とブランディング効果を同時に果たすことができる、大変すぐれたものの集客戦略です。
 最初から出版というのは、荷が重いとお考えのあなたは、自分自身で小冊子を作成するというのも手です。ただし、小冊子の場合には、お客さんがあなたにどのようなレスポンスデバイス(電話、FAX、ハガキ、メールなどでコンタクトする方法)で連絡してくればいいのかの設計がきちんとできてないと、コストばかりかかって失敗しますので、お客さんのために複数のレスポンスデバイスを用意しておく必要があります。その種類が多ければおおいほどよいでしょう。
3. ブランド価値を高める情報発信
セルフプロデュースとは、いかにして自己表現をするか、外部に対して自分の魅力をアピールするかということです。外部に情報を発信しない限り、誰もあなたのことを知ってはくれません。
 今まで、行政書士はマスコミ対策について、あまりにも何も考えていませんでした。その手がかりになるのが、メルマガです。メルマガは発行スタンドを使えば、無コストで情報発信することができて、大変有効なセルフプロデュースのためのツールです。まぐまぐの習慣総合ランキングというものがあります。このランキングには前週のメルマガの部数の順位が200番までだったメルマガが掲載されています。このメルマガランキングから、出版社が興味を持ち、出版のアプローチをかけてくることもあります。
4. メルマガ読者を増やすためには「金を使え」
読者が5000名以下しかいない肩は、まず3つのことをすることです。
1.アドワーズ広告とHPからのポップアップウインドウでの読者登録
2.SEO(検索エンジン対策)によるアクセス数アップ
3.適切なキーワードの選択によるヤフーのディレクトリ登録
 メルマガ読者を無料で集めようとするから苦難の道を歩むことになるわけで、お金を捨てる勇気を持てばいいのです。毎月広告費を15万~25万円程度投入すれば読者は簡単に集まります。集まった後は、その投入した広告費を有効に回収すべく商材を販売していくだけです。リピーターをつくって、徐々に見込み客を顧客に変えていきます。
■Part 7 一度獲得した顧客を逃がさないために
1. せっかく集めた反応が受注につながらないわけ
 FAXDMなどによって、大規模集客を果たしたとしても、それはあくまでも見込み客を「教えて君」が混じっている状態です。集客の初動の段階で気をつけなければならいのは、この「教えて君」です。彼らの排除が極めて重要な問題になります。
 まず、FAXDMの戻りがあった段階で、文章を見て、ただ単に情報を取りたいだけなのか、依頼を考えている客なのかを判断します。ここで、第一のスクリーニングをするわけです。そして、業務の受注につながりやすそうな客から優先的に、アポ取りのために電話をかけていきます。その段階で「ご説明に納得していただければ、業務の依頼を検討するご予定がありますか?」と、こちらから先手で聞きます。日本人の中には、情報は無料だとおもっている人がいますが、そのような人々にあなたの貴重な時間を費やしている暇はありません。
2. メールの相談にはメールで回答するな
 見込み客からメールがきたときに、メールで回答する人がいますが、これはよくない。メールで問合せてきた客も、電話をかけないと、とてもじゃないですが受注にはつながりません。メールだけでやりとりすると、客は他のところに逃げていきます。電話で返すようにしたほうが、それが見込み客であればあるほど、受注につながりやすいのです。
3. 集めた客を受注につなげるための方法
 あなたのところで相談して、その後「考えてみます」といったお客さんに、しばらくして電話してみてください。大抵は、すでに他の事務所に業務を依頼しています。つまり、あなたはフォローコールを怠ったために、せっかく集めたお客さんを取り逃がしていたのです。
 相談があったお客さんに、定期的にフォローコールを入れてください。
「こちらから、電話します」と言っている客、自分から電話するはずがありません!
4. 業務受注した客を“殺して”いないか
 一回獲得した客からは、何度でも売り上げをあげましょう。たとえば、会社を設立した場合には、その後に毎月の会計記帳も取れるでしょうし、国民生活金融公庫の融資の手続きも案内できるでしょう。
1:5の法則
新規顧客の獲得にかかるマーケティングコストは、既存客の5倍であるという法則。
5:25の法則
顧客の流出を5%防止すれば、利益が25%改善されるという法則。
 定期的な、ニュースレターの発行とかフォローコール、ハガキによって、顧客の流出を防止していくことで、損失の防止が可能です。人間は、とかく新規顧客の獲得ばかりに目がいきがちですが、既存顧客の流出防止も大切な戦略のひとつなのです。
■Part 8 組織化でさらに大きく稼ぐ
1. 個人行書から、組織としてのビジネスへ
 何でも自分でやってしまおうというのは、経営においては間違いです。何でもやってしますと、いつも自分ばかりがバタバタ忙しく動きまわらなければならず、業務効率が上がりません。そうすると、いつまでも零細企業の行きから脱することはできません。
 自分の時間コストはタダではありません。自分がやれば、なんでもタダだという考え方は間違いですので、今すぐ捨ててください。そして、自分自身の適性を見極め、自分に適正がない場合には、外注なり補助者なりに任せることを躊躇してはなりません。
 あとは、自動化できる部分はシステムに任せて、自分の仕事がどのようにすれば減らせるかを常に考える必要があります
2. モジュール化とスケーラビリティ
 行政書士の業務はモジュール化(部品化)に適しています。つまり、業務フローをバラバラに分解して、標準化して流れ作業にしてしまえば、規模を拡大することが容易です。
行政書士、司法書士、弁護士のひとりあたりの獲得利益は、一般的に下記の順番になります。
弁護士>司法書士>行政書士
ところが、モジュール化の観点から見ると、その人の能力に依拠しないで標準化しやすい順番は次のようになります。<標準化しやすいとは、創意工夫の余地が比較的少なく、定型的な処理になじむということです。
行政書士>司法書士>弁護士
 つまり、行政書士の業務は、個人の能力に依拠する創意工夫の余地が一番少なく、誰がやっても、それほど結果に代わりがないため、標準化しやすい業務なわけです。となってくると、大量の業務を処理したり、電子的にデータを処理する場合の拡張性を考えると、行政書士の業務は流れ作業になじむということです。
本来、システム化によって稼げば、大きく稼げる可能性を秘めているのが行政書士の業務領域なのです。行政書士の強みを生かして、ビジネスを組み立てればいいのです。「弱者はすべてにおいて弱者ならず」です。
 自分の土俵で、モジュール化と価格競争力を生かして戦えばいいのです。
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