レバメモ『不動産投資の学校 [入門編]』

『知識ゼロでも大丈夫!基礎から応用までを体系的に学べる!
不動産投資の学校 [入門編]

知識ゼロでも大丈夫!基礎から応用までを体系的に学べる!不動産投資の学校[入門編]―「お金持ち大家さんになりたい!」と思ったら必ず読む本
知識ゼロでも大丈夫!基礎から応用までを体系的に学べる!不動産投資の学校[入門編]―「お金持ち大家さんになりたい!」と思ったら必ず読む本 日本ファイナンシャルアカデミー 編著

ダイヤモンド社 2008-08-01
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単行本: 213ページ
■プロローグ 不動産投資を始めよう!
・不動産投資はこんな人におすすめ
①仕事が忙しくて、副業に費やす時間がない人
不動産は取得してしまえば、後はほとんど手間がかからない。そういう意味ではサラリーマンにうってつけ。
②私設年金をつくりたい人
年金制度が今後どうなるか予想するのは難しい。何らかの手段で自分で年金をつくっておく必要がある。
③コツコツと地道に収入を得たい人
不動産投資は、毎月コツコツと家賃収入を得ていこうというもの。ミドルリスクミドルリターンを狙う手法。
④自分で工夫するのが好きな人
他人に任せられる部分はすべて任せるのが効率的。ただ、修繕やDIYが好きな人には、物件の手入れも楽しみの一つとなる。
⑤目標を持っている人
「いつまでに」「何のために」「いくらいくら」と目標が明確になっている方が、目標達成への強い動機付けになる。
⑥マイホームを持っている人、欲しい人
住宅ローンでマイホームを持つことは多大なリスクを抱えることになる。そのリスクを分散するためにも、収入の柱として投資用物件を所有することが有効。
・老後のマネープランを考えていますか?
 総務省の「家計調査(平成18年)」によると、高齢者の夫婦2人世帯の平均的な消費支出は20万~24万円で、それに対して収入は19万~22万とあります。収入より支出が多く、毎月赤字が発生し、貯金を切り崩しながら生活せざるを得ない状況であることが分かります。
 また、一般に引退する時点で最低でも3000万円程度の貯蓄が必要と言われています。
 では、その3000万円を現役時代からコツコツと貯蓄しておけばいいのかというと、そうでもありません。なぜなら、この3000万円はインフレを加味していないからです。インフレによって物価があがれば、同じ3000万円でもその価値は物価上昇分だけ目減りします。
 一方、不動産投資はインフレに強いと言われています。物価上昇と同時に不動産価格や家賃の上昇、借金の目減りが期待できるからです。
 老後に向けた資産運用といってもいろいろあります。以下は定期的な収入を得られる金融商品と、各商品で1年間に得られるリターンです。
普通預金(都市銀行) 0.19%
MRF 0.383%
大口定期預金(3年) 0.55%
個人向け国債(変動10年) 1.0%
グローバル・ソブリン・オープン毎月決算型(過去3年平均) 4.7%
J-REIT(不動産投資信託・全銘柄平均) 5.07%
 これに対し、不動産の利回りは一般的なもので10%程度。ROI(Return On Investment 投資収益率)で計算すると30%以上になるという物件もあります。
■ 第1章 こんなにある、不動産投資のメリット
・不動産投資の魅力はここ!~国債、株、投信、外貨預金など他の金融商品との比較
①少ない自己資金で多額の投資ができる(レバレッジ効果)
購入する物件を担保とすることで銀行から自己資金の何倍ものお金を借りることが可能です。
②安定的な利回りが得られる
③低労働の収入源である
④他の運用手段に比べて価格変動が緩やかである
⑤減価償却などにより節税効果がある
⑥場合によって売却益が得られる

・私設年金代わりになる
 厚労省が試算した2025年における世帯あたりの年金受給額は、「夫は38年間フルタイムで就労、妻はずっと専業主婦」の世帯で、月額23万7000円です。また、60歳の定年時から65歳の年金受給が始まるまでの「空白の5年間」は、全く収入がありません。そこで、私設年金づくりが老後の生活を大きく左右します。
 高齢者の夫婦2人世帯の平均的な消費支出は、20万円~24万円と言われていますが、これはかなり切り詰めた生活をした場合です。趣味を楽しむなら30万円、欲を言えば40万円くらいは確保したいところです。不動産で毎月30万円の収入を得るためには、単純計算で利回り10%・3600万円分の物件を持つ必要があります。不動産投資において、これはそれほど高いハードルではありません。
・生命保険代わりになる
 ローンで投資用物件を取得する場合、住宅ローンでもおなじみの団体信用生命保険(団信)に加入することになります。団信とは、ローンを組んだ人に万一の事態があって亡くなった場合、保険会社がローンの残債に相当する保険金(最大1億円)を金融機関に支払ってくれるというものです。高度障害などの際にも団信は適用されます。
 万一の事態が起こっても、団信に入っていれば家族にはローンの返済が終わった不動産が残るので、月々の家賃収入を得られることになり、経済的に安定した生活を送ることができます。
 したがって、不動産を手に入れた場合、加入している生命保険の見直しをして、場合によっては解約を検討することもできます。
・節税効果がある
 不動産を運営していく上で経費として認められるのは、管理費や保険料、ローン返済額の利息に当たる部分、建物の減価償却費、固定資産税、都市計画税などの税金です。
「総収入金額-必要経費=不動産所得」という算式になります。
 経費を多く計上できればそれだけ節税につながります。場合によって赤字がでれば、給与所得と損益通産ができ、ささらに節税になります。
 ただし、節税は諸刃の剣でもあります。次の物件を購入する際の融資の審査に影響してくるからです。銀行は融資の審査の際、利益の出ていない人、税金を納めていない人を敬遠します。不動産を一つだけでなく、二つ、三つと購入してステップアップしたいなら、下手な節税はしないほうが得策です。
・サラリーマンの副業禁止規定に抵触する?
 会社によりますが、一般的には副業に含まれるケースは少ないようです。それでもやっぱり会社の人には知られたくないと心配する人もいるでしょう。そこで会社に知られない方法があります。
 不動産投資を始めると、収入が大幅に増えることになります。そうなると必然的に払うべき所得税、住民税が増えます。勤め先の経理担当者などが給与明細を見て、気付くかもしれません。
 それを防ぐ方法として、確定申告の際にちょっとした手続きをします。住民税の納め方には、給与から天引きされる「特別徴収」と、自分で納付する「普通徴収」があります。これは本人の希望で「普通徴収」に変更することができます。確定申告の際、「住民税・事業税に関する事項」で、「自分で納付」をチェックするだけです。これで、会社に住民税の額を知られることはありません。
■ 第2章 不動産投資のリスクに対処しよう!
・悪い物件を買ってしまうリスク
 不動産には良い物件と悪い物件があります。比率としては、悪い物件100に対して、本当に良い物件は1の割合とも言われています。数多くの物件を見て、目利き力を養成し、交渉を通じて妥当な購入金額を導き出して、はじめてよい不動産投資を行うことができます。
 悪い物件を避け、良い物件を購入するためのポイントは、
①物件を選別する数を増やすこと
⇒5件から1件よりも、100件見てから1件を選び出したほうか、判断材料が増えハズレ物件を掴みづらい。
②物件の良し悪しを見分ける知識をなるべく数多く身につけること
⇒不動産は「収益力」「担保力」「稼動力」の3つの基準で価値を判断する。
・空室リスク
 借主は契約期間中であっても退去日の1ヶ月前に予告することで自由に退去可能です。「空室リスク」は不動産運営にとって避けて通れないリスクです。
 空室リスクを軽減するには、
①空室が出ないような優良物件を購入する
⇒優良物件を取得することが最大のリスクヘッジ
②人気のあるエリアで物件を購入する
⇒都心と地方の地価は二極化する傾向にある
③物件の魅力を高める
⇒リフォームの実施や設備の充実などにより物件の価値を高める
④家賃を下げる
⇒長期間空室にしておくよりは、得策の場合もある
⑤所有する物件数を増やす
⇒保有物件が多ければ多いほど空室リスクは下がる
⑥空室保障(サブリース、一括借り上げ)を利用する
⇒管理手数料は賃料の10~20%(数年ごとに契約見直しが行われるのが通常)
・滞納リスク
 単なる空室であればリフォームなどをして入居者を呼び込む努力ができますが、家賃滞納はまだ住んでいる人がいるだけに対処が難しい問題です。
 家賃滞納に対処するには、
①入居者審査を厳格にする
②滞納保障サービスを利用する

⇒家賃・共益費の滞納があった場合に、滞納された家賃・共益費を立て替え払いしてくれる制度
・金利上昇リスク
 不動産投資の考え方で「イールド・ギャップ」というものがあります。イールド・ギャップとは、期待される不動産の利回りから借入金利(長期金利)を差し引いた数値のこと。例えば、「不動産利回り7%-金利3%=イールド・ギャップ4%」と考えます。現在、先進国の中で最もイールド・ギャップが大きい日本は、投資するのに適した市場であると言えます。
 金利水準がアップしたときのことも考え、返済に無理の無い資金計画・収支計画を考えなければなりません。
①固定金利で資金を調達する
⇒なるべく長期の固定金利で資金を調達することで、当面の上昇リスクを回避できる
②不動産投資のタイミングを見計らう
⇒不動産の世界では、買い・売り・休みの周期が10~20年ごとに訪れる。長いスパンで見て時流を掴むことが大切
・値下がりリスク
 昨今の不動産価格は、主要都市だけは上昇し、地方では相変わらず下落するという二極化が進んでいます。マクロ的に見ても、人口減少・少子高齢化が進む社会にあって、不動産の価格がこれから上がり続けるとは考えないほうがよいでしょう。
 値下がりへの対処法は、
①値下がりリスクの少ない好立地物件や条件を選ぶ
②管理をきちんと行うなど、収益性を確保する
③区分所有はさける

⇒銀行の担保評価でも区分所有は通常低く見られてしまう
④利回りをキープする
⇒部屋をリフォームする、新しい設備を導入するなどの対策をし、空室を出さないことがポイント
 実際には、不動産価格と家賃は必ずしも直結はしていないようです。物件の価格は新築時から急激に下がってきますが、家賃の下がり方はなだらかです。
 そう考えると、新築からある程度の築年数が経ち、「物件価格は大きく下がったものの、家賃はそれほど下落していない」ポイントが、利回りが高水準になり、物件を買うのに適したタイミングと言うことができます。
・流動性リスク
 不動産は一般の金融商品と比べると流動性が低い商品です。預金なら即日現金化できます。株式でも売却して4営業日後には現金として引き出すことができます。
 一方、不動産の場合、売却しようと思い立っても実際に売却するまでには、申し込みから査定、売り出し開始、売買契約、決済・引渡しまで最低でも1~2ヶ月かかります。このように、金融商品を必要なタイミングで売ることができなしリスクを「流動性リスク」と言います。不動産は比較的流動性が低い(流動性リスクが高い)商品です。
・地震・火事などの災害リスク
 いつ起こるともしれない天災に対し、不動産オーナーとしてどういった対策をとることができるでしょうか?
①建物の構造と建築年を見る
⇒主な建物の構造には、木造、軽量鉄骨、重量鉄骨、鉄筋コンクリート(RC)、鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)があり、強度も一般的に木造・軽量鉄骨<重量鉄骨<RC・SRCの順になっています。一般的にRC・SRC造のマンションを購入しておけば地震にも強いと言われています。
 また、一般的に1981年の「新耐震基準」以降に建てられた建物であれば、ひとまず安心と見られています。
 それでも心配なら専門家による診断サービスを利用するのもいいかもしれません。インターネットで「建物調査」「耐震診断」などで検索すると出てきます。
②基本は損害保険でカバーする
③複数物件の購入でリスクを分散

⇒複数の物件といっても、同じエリア、同じ価格帯の物件ばかりでなく、金額やエリアを分散することで、より効果を発揮します。
・住人のトラブル、犯罪などの人的リスク
 ある意味で最も厄介なのが人的リスクです。強盗、殺人といった被害が大きいものから、騒音、ゴミ、ペットなどありがちなトラブルまでいろいろです。それらのリスクがあることで、借主がなかなか見つからなかったり、他の借主が退去してしまったりすることも考えられます。
 人的リスクに対してどう備えるか?
①入居者の審査を厳格にする
⇒【入居者選びの基本】・職業と勤務先、年収、引越し理由、連帯保証人
②各種保障サービスを利用する
⇒入居者の適正を判断した後は、必ず滞納保障会社の審査を行いましょう。
③セキュリティ設備を導入する
⇒防犯対策が整っていれば、物件の競争力アップにもなります。
■ 第3章 不動産投資の指標を知ろう
・不動産投資で利益を得るとは、どういうことか?
 不動産でお金を増やす方法は、次の3つに集約できます。
①家賃収入でお金を増やす(=インカムゲイン)
⇒「家賃収入」です。家賃収入は不労所得です。
②物件を安く買って高く売り、差益を得る(=キャピタルゲイン)
⇒安く買って高く売り、売却益を得ること。
③自宅として使用して、家賃を節約する(=インカムゲインの応用系)
⇒家賃の節約になり、また、自分の保有物件の空室率を下げることにもなる。
 以上の3つの方法をどれだけ上手に効率的に実践できるかで、投資における収益性が決まります。そこで大事になってくるのが「利回り」などの指標です。不動産投資の場合、利回りといっても複数存在します。主なものは「表面利回り」「実質利回り」、さらに重要な指標に「ROI」があります。
・表面(グロス)利回りとは何か?
 表面利回りは、「グロス利回り」「想定利回り」「見込み利回り」という呼び方をされることもあります。
表面利回り(%)=家賃収入÷物件価格×100
で算出できます。税金・諸経費等をいっさい含めていないので、実際に手元に入ってくるお金を正確に表すものではありませんが、手軽に計算できるので、よく使われます。マイソクと呼ばれる不動産の販売資料や広告に掲載されている利回りは、ほとんどがこの表面利回りです。
例) 家賃月20万円、物件価格3000万円を2800万円に値切って購入した場合
20万円×12ヶ月÷2800万円×100%=8.571%
 表面利回りの計算式は、少し違う使い方もします。家賃や利回りを自分なりに想定し、そこから逆算して購入価格を求めていく作業をする場合です。
例)家賃月20万円が見込めそうで、9%の表面利回りにしたいなら、購入希望価格は?
20万円×12ヶ月÷9%=2666.66万円
・不動産を購入する時にかかる諸費用・税金は?
 時際に手元に入ってくる金額を把握するためには、日々の運営にかかるコストや取得時の諸経費・税金などを加味した「実質利回り」を求める必要があります。この計算に必要な諸費用・手数料について解説します。
①仲介手数料
不動産会社に払う仲介手数料は下図のような体系が基本です。
購入価格       手数料率
~200万円        5%+消費税
200万円~400万円  4%+2万円+消費税
400万円~        3%+6万円+消費税
②印紙税
「不動産売買契約書」に貼付する収入印紙代も支払う必要があります。
契約書に記載された契約金額   印紙税額
1万円~10万円以下   200円
10万円~50万円以下   400円
50万円~100万円以下   1000円
100万円~500万円以下   2000円
500万円~1000万円以下   1万円
1000万円~5000万円以下   2万円(1.5万円に軽減中)
5000万円~1億円以下   6万円(4.5万円に軽減中)
1億円~5億円以下   10万円(8万円に軽減中)
5億円~10億円以下   20万円(18万円に軽減中)
*印紙税の軽減措置はH21年3月31日まで
③司法書士手数料
 不動産を購入したら、所有権を移転する必要があります。その手続きをしてくれる司法書士に払う報酬が、司法書士手数料です。司法書士手数料は、登記の種類や数によって変わってきます。およそ10万~20万円くらいでしょう。
④登録免許税
 登記にかかる税金が登録免許税です。購入価格に対してではなく、市町村が決めている「固定資産税評価額」に対して2%かかってきます。
⑤不動産取得税
 忘れた頃にやってくるのが不動産取得税です。購入後半年くらいに物件のある都道府県から納付書が送られてきます。評価額の4%とかなり大きな額になるので現金を残しておく必要があります。
         固定資産税評価額に対して     支払時期
登録免許税          2%              購入時
不動産取得税        4%        購入から3ヶ月~6ヶ月後
⑥その他の費用
 これ以外にかかる費用としては、リフォームが必要な場合には、リフォーム費用がかかってきます。
 火災保険、地震保険に入った場合は、一括払いの場合には取得費用に上乗せで計算します。分割払いの場合には家賃収入から差し引いて計算します。銀行から融資を受けて購入する際には、ローン事務手数料、ローン保証料等がかかってきます。
・不動産を貸す時にかかる諸費用・税金は?
 不動産を貸す時にかかる費用がランニングコストです。
①管理費・修繕積立金(管理組合への支払い)
 区分所有マンションを購入した場合、管理組合に対して管理費や修繕積立金の支払いが必要になります。また、定期的な修繕費用にかかる費用を積み立てるものが「修繕積立金」です。つなみにマンション一棟を買った場合、修繕積立金はかかってきませんが、自分のマンションなので、自分で独自に積み立てることになります。
 新築マンションでは一般的に、物件を魅力的に見せるために当初の修繕積立金を少なめに設定しています。この場合、将来的に値上げされる可能性が高いと言えます
②管理費(管理会社への支払い)
 家賃の徴収やクレーム処理などを不動産管理会社に任せる場合、“入居者に対する管理”費用が別途必要になります。「管理委託費」とも呼ばれます。管理委託費は管理会社との契約によりますが、家賃の5%前後が相場です。
③固定資産税
④都市計画税

 固定資産税・都市計画税は合わせて1.7%ですが、実際に支払う金額はそれよりも少なくなるケースが多いようです。さまざまな軽減特例があるためです。およそ固定資産評価額の1.7%と覚えておけばよいでしょう。
⑤所得税・住民税
・実質利回り(ネット利回り)とは何か?
 不動産購入時・不動産運営時にかかる諸費用や手数料を加味した上で計算する利回りが「実質利回り(ネット利回り)」です。より実現の収支に近い金額を求めることができます。
実質利回りを求める式は以下の通りになります。
家賃収入(実質)=(月額家賃-管理費等)×12ヶ月-固定資産税-都市計画税
物件価格(実質)=購入価格+仲介手数料+印紙税+司法書士手数料+登録免許税+不動産取得税+(必要に応じて)リフォーム費用
実質利回り(%)=家賃収入(実質)÷物件価格(実質)×100

・ROIを理解するのに必要な「税金」「返済」「減価償却費」
 実質利回りの計算方法には、銀行へのローン返済を考慮していません。実際には、銀行から融資を受けて物件を買ったほうが不動産投資の「レバレッジ」というメリットを享受できます。簡単に言ってしまえば、融資を受ける額が大きければ大きいほど、効率よくお金を増やせる傾向にあるということです。その効率性を図る指標が「ROI(Return On Investment)」です。
 ROIとは、不動産投資においては「最初に出した自己資金を、1年当たりでどれくらい回収できたか?」を表す。
ROI(%)=年間キャッシュフロー÷最初に払った自己資金×100
ROIを割り出すには、キャッシュフローを算出する必要があり、そのためには「税金」「返済額」「減価償却費」の3つの数字を正確に理解する必要があります。
・減価償却費を理解する
 減価償却資産を取得するのにかかった金額を、税法で定められた「法定耐用年数」にしたがって、一定期間にわたって必要経費として計上していく手続きのことを「減価償却」といい、その計上する金額を「減価償却費」と言います。減価償却費は、実際にお金が出ていくわけでもないのに経費として計上できる費用なので、上手に扱うことでキャッシュフローを向上させることができます。
 土地・建物の金額は固定資産税評価証明書に記載されています。ただ、物件購入前は手に入れることができないので、不動産会社に金額を聞く必要があります
主な建物(住宅)の対応年数
構造              年数(新築の場合)     中古の場合
SRC、RC            47年         (法定耐用年数-経過年数)+
金属造(肉厚4mm以上)     34年           経過年数×20%
    (肉厚3~4mm)     27年         *小数点以下は切り捨て
    (肉厚3mm以下)   19年         *耐用年数オーバーの場合は一律
木造             22年          20%(最低でも2年)
例)築18年のRC造の物件の場合
47年-18年+18年×0.2 = 32.6年 ⇒ 32年
例)法定耐用年数がすでにすぎた物件の場合(木造)
22年×20%=4.4年 ⇒ 4年
・キャッシュフローとは何か?
 キャッシュフローは、「実質利回り」の項で算出した実質家賃収入に、「税金」「返済額」「減価償却費」を加味することによって算出されます。具体的な計算式は下記のようになります。
家賃収入-(管理費+修繕金+固・都税+委託管理費+その他の経費)-返済利子-原価償却費-税金(所得税+住民税)=税引き後利益
税引き後利益+原価償却費-返済元本=キャッシュフロー

「税引前利益」を算出する際にいったん差し引いた「原価償却費」を、なぜ最後にまたプラスにするかというと、原価償却費は「税務上の経費として扱うことができるが、実際には支出を伴っていないお金」、いわば架空の経費であり、現金は手元に残っているからです。そこで、キャッシュフローに対するプラス効果として最後に戻してあげるわけです。
ROI(%)=年間キャッシュフロー÷最初に払った自己資金×100
・ROIとキャッシュフローを自在にコントロールできる投資家になろう
 キャッシュフロー、ROIを正確に理解しえはじめて、不動産投資家として最初のステージにたったと言えます。次のステージに進むためには、ROIを自分にとって都合の良い方向へとコントロールすることが求められます。
ROI,キャッシュフローをコントロールするということは、それらの構成要素である「返済」「原価償却費」「税金」の3つのと特質を理解し、自分にとって都合の良い方向に操作することです。
          節税効果 ROI向上のために都合の良い方向 そのための方法
返済(元本) なし ↓(減らす) 返済期間の延長、元利金等払い
返済(利子) あり ↓(減らす) 金利交渉、固定金利
減価償却費 あり ↑(増やす) 契約書の文言
税金 あり ↓(減らす) 青色申告、プチカンパニーの利用
①返済元本・利子をコントロールする
⇒返済元本に関しては、「元金均等払い」ではなく「元利金等払い」にする方法があります。この場合、元本の返済は先送りにされますが、キャッシュフローは向上します。
②減価償却費をコントロールする
⇒原価償却費は多ければ多いほどキャッシュフローにとってプラス効果があります。原価償却費は建物に対してきます費用なので、物件価格に占める建物割合が多いほうが有利です。
 方法としては、建物割合を売買契約書に記載する、建物対価証明書を発行してもらうなどがあります。
③税金をコントロールする
⇒所得税・住民税を低く抑えるには「青色申告」「プチカンパニー」といった方法があります。
青色申告→青色申告特別控除が受けられる、家族に支払った給与が経費になる、などのメリット。
プチカンパニー→個人所得が高い人は、法人のほうが税率が低いためメリットがあります。
・人口動態と空室率の調べ方
 不動産投資において、実際にお金をもたらしてくれるのは入居者です。家賃収入があって初めて成り立つ商売です。自分が物件を買おうとしているエリアの人口推移空室率は注目しておかなければなりません。
 日本であればどこで投資してもいいわけではありません。人口が増加傾向にあるエリアのほうが不動産のニーズは高く、空室リスクが低いと考えることができます。都道府県別・市区町村別・駅別・エリア別で、需要の高そうな場所を探していきましょう。こうした情報は総務省をはじめ各自治体などのホームページに記載されているので参考にしましょう。
「国立社会保障・人口問題研究所」のHPでは、日本および各都道府県・市区町村別の将来推計人口をみることができます。
最後に駅別の需要をチェックしましょう。駅別の不動産需要を図る指標は「乗降客数」です。各電鉄会社のHPで各品できます。一般的に5万人以上の乗降客数がある駅であれば不動産投資に有利と言われています。
さらに、空室率を予測することで、シュミレーションがより現実に近いものとなります。方法としては、
賃貸情報サイトで調べる→検索結果に出てくる物件数が多ければ競争率が高い。
近隣の物件を現地調査→現地調査の際、マンション・アパートの郵便受けや電気メーターを見て空室率を割り出す。
・地価の動向(過去~将来)を知っておこう
 土地は1物3価とも1物4価とも言われるほど、同じ条件に対して、複数の価値が存在します。その代表的な価格が以下の4種です。
実施機関 基準日 価格バランス
公示価格 国土交通省 毎年1月1日 100
基準地価 都道府県 毎年7月1日 100
路線価 国税庁 毎年1月1日 80
固定資産税評価額 市町村(東京23区は東京都) 基準日の前年の1月1日(3年ごとの評価替え) 70
不動産投資で重視されるのは、路線価です。路線価はほどんどのエリアを網羅しているからです。国税庁のHPで過去3年分の路線価を調べることができます。
過去3年分の路線価をみて、その数字が横ばいか上昇しているほうが望ましいと言えます。
■ 第4章 良い物件をどうやって見つけるか?~物件検索、現地調査のやり方
・掘り出し物件はこうして探す~物件検索の方法
物件を取得するまでの流れ
取得方法策定 予算、場所、建物構造等、大まかなターゲットを決める

物件検索 インターネットを中心に情報を集める

資料請求 不動産会社に問い合わせて販売資料をFAXしてもらう

現地調査 集めた情報の中から現地に行って視察する物件を選ぶ

投資計画作成 投資にふさわしい物件かどうかをシュミレーションする

買い付け申し込み 不動産会社に買付申込書を提出する
 不動産投資は、一回の投資金額は大きく、買った後で失敗したと思っても、売るのに数ヶ月間かかります。また全体の投資金額における諸経費は物件価格の10%近くかかります。失敗から撤退する際のダメージが大きいのが不動産投資です。
(対応策)
①一回当たりの投資金額を小さくして分散させる
最初から1億円の物件で始め、失敗すると被害は甚大。小さい物件を10戸持っていれば、1戸でトラブルが起きても、全体に与える損害は少ない。
②「とにかく数多くの物件を見る」こと
ニュージーランドの著名な不動産投資化、ドルフ・デ・ルース氏の言葉に「100:10:3:1の法則」があります。100件の物件を見学し、そのうち10件に買付申込書を出し、3件に融資の手配をして、最終的に1件が買える、というものです。本書ではそれに1000件の販売資料を見ることをプラスして、「1000:100:10:3:1の法則」を実行することをお勧めします。
物件検索と現地調査の繰り返し、これが不動産投資の成功の9割を占めています
・物件の取得方針を立てよう
 物件の情報を検索する前に、自分がどんな物件が欲しいのか、おおまかなイメージを決めておく必要があります。
あなたの方針を決めよう
○区分所有物件か? 1棟ものか?
○1部屋あたり何平方メートル以上か?(ワンルームかファミリータイプか)
○オーナーチェンジか? 空室か?
○駅から徒歩何分以内にするか?
○利回りを何%以上にするか?
○エリアはどのあたりにするか?
○物件の構造は?(木造かRCか)
○築年数は?
○予算は?(500万円、1000万円、3000万円、5000万円………..)

○区分所有物件か? 1棟ものか?
 区分所有物件と1棟もの、どちらかを選ぶかはその人の予算、スキルなどによって変わってきます。最初は区分所有物件を増やしていき、ある程度、家賃収入が得られるようになったら1棟ものに切り替えるというやり方が安全策と言えるかもしれません。
○オーナーチェンジか? 空室か?
 オーナーチェンジ物件は、購入したその瞬間から家賃がはいってくるメリットがあります。しかし、入居者を選ぶことはできません。また、投資家の取り合いになります。空室物件は、入居者を選べたりすくにリフォームできるというメリットはありますが、空室がいつ埋まるかわからないリスクがあります。
○ワンルームか? ファミリータイプか?
 ターゲットとするエリアでの価格や需給状況などを考慮して、希望のタイプを選択する必要がある。
○利回りを何%以上にするか?
 利回りは高ければ高いほうがいいと誰もが思いますが、利回りが高いということは、裏を返せばそれだけリスクが高いということ。初心者にはリスクが高くなります。
 そこで、利回りに関しては、少し希望より低めに見積もっておきましょう。8~10%くらいをひとつの目安にするといいかもしれません。利回りの低めな物件を狙い、値引き交渉、リフォームによるバリューアップなどのテクニックを駆使して、利回りやROIを上げる工夫をします。
○最後に予算
 最後に決めるのは予算と融資の有無。予算はどれくらいあるのか、そして融資を受けるのか現金で買うのかで、購入できる物件は大きく異なります。
・物件検索サイトの使い方
 ここからは先ほど決めた取得方針にしたがって物件情報を集めていきます。情報収集の方法は、インターネット、新聞広告、折込チラシ、不動産会社から直接、などがありますが、主力はインターネットです。
 不動産情報を検索するサイトとしては、収益物件を専門に掲載している投資用サイトと、一般向けの不動産情報サイトがあります。投資用サイトは、投資用に情報が整理・表示されているので検索しやすいというメリットがありますが、多くの投資家が利用するので競争率が高くなるデメリットもあります。
【一般向けの不動産情報サイト】
・Yahoo!不動産 http://realestate.yahoo.co.jp/
・ISIZE住宅情報 http://www.isize.com/house/
【不動産投資用情報サイト】
・インデックスワン http://www.indexone.co.jp/
・健美家 http://www.kenbiya.com/
物件情報を見るときのポイントは表面利回りです。家賃と購入価格から表面利回りを計算し、8~10%程度の利回りが期待できそうな物件を探していきます。表面利回りの時点で、郊外なら10%以上、都心なら8%以上確保できない物権は、ROIがプラスになる可能性が低いため除外します。
・物件の資料請求の行い方
 検索をしながら、希望条件に近い物件があったらピックアップし、マイソク(販売資料)を請求します。前述した「週末2件の物件見学」を実行するなら、金曜の夜までにマイソクを10~20枚集めるのがノルマ、その中から週末に見学に行く物件を2件決めます。
 物件情報ページからでも問合せはできますが、反応が遅い場合があるので、必ず電話で問合せて資料をFAXしてもらいましょう。また、枚数が増えると紙代・インク代がかさむので、インターネットのFAXサービスを利用するのが良いでしょう。
【インターネットFAXサービスの一例】
・D-FAX(受信専用) http://www.d-fax.ne.jp/
・FAXCAST(送受信可能) http://www.faxcast.ne.jp/
【電話で問合せるときの聞き方】
もしもし、___と申します。インターネットで物件情報を見たのですが、__駅徒歩__分の__万円の物件の情報を送っていただけますでしょうか。FAX番号は_____です。
・不動産会社から事前に聞きだすべきことは?
 不動産仲介会社に電話をかける際、資料を請求するだけでなく、追加情報を収集してみましょう。同じような物件でも値引きできる場合とできない場合があります。交渉に使える情報を引き出せればラッキーです。
【不動産仲介会社から聞き出したいこと】
①売却理由は?
②いつから売り出されているか?
③反響は?
④いつまでに売りたいという希望は?
⑤価格交渉はどれくらまでいけそうか?
⑥元付か、客付か?

A 売主 → 不動産仲介会社(元付) → 不動産仲介会社(客付) → 買主
B 売主 → 不動産仲介会社(元付) → 買主
・現地調査の進め方
 現地調査は物件選びをする上で非常に大切です。マイソクの情報に「公証力」はないので、間違っている可能性もあります。現地を見て確かめることが必要です。
 当日の現地調査をスムーズに進めるためにも、きちんと事前準備をしておきましょう。
【現地調査の準備】
①地図で場所を調べる
②路線価を調べる
③電車での行きかた、、所要時間を調べる
④効率的に回れるように、同じ路線、同じ駅の物件を集中的に見る

【現地周辺・現地物件でのチェック項目】
①駅前の環境
□駅周辺の賑わい □不動産屋の店舗数・込み具合
②駅から現地までの環境
□人通り □商店 □道は暗くないか
③現地周辺の環境
□忌避施設はないか □騒音・異臭はないか □周辺の空室率
④建物外観
□ひび割れ □修繕状況のチェック □管理・清掃状態のチェック
⑤建物内部
□廊下の清掃具合 □廊下・エレベーターの痛み具合 □建物の空室率
・不動産会社との付き合い方はこうする
【不動産会社と付き合うときの心得】
・一見さんには冷たいが、常連になれば良い情報を優先的に回してくれる
・大手が上、中小が下ではない
・会社より、担当者に顧客がついていることが多い
・行った先々で「自己紹介書」「連絡先」を書いて渡しておく
・買う気があること、買えるだけの資力があること、信用力をアピール
・具体的な「買いたい物件」「買う時期」を提示
・高望みはせず、現実的な線で希望物件を告げる
・連絡をもらえたら必ず返信。無視すると自分も無視される
■ 第5章 買い付け申し込み、融資申し込みの方法
・買い付け申し込みの基本ルール
 物件検索をした中から気になった物件を現地調査に行き、さらにその中から自分の希望する条件にかなう物件が見つかったら、「買い付け申し込み」を行います。
 「1000:100:10:3:1の法則」で言えば、現地に見に行った物件が100件あったとすれば、そのうち10件くらいは買い付け申し込みをしてもいいような物件に当たるはずです。確率としては10分の1くらいです。
 買い付け申し込みは、不動産会社に対して購入の意思があることを書面で伝えるものです。物件が他の買主に買われないように「押さえる」ことが目的です。
 ただ、買付申込書は契約書ではないので、法的な拘束力はありません。キャンセルすることも可能です。
・買い付け申し込みのテクニック
 買付申込書を出す際の基本中の基本は、「ローン特約」を付けることです。ローン特約を付けずに売買契約までいき、最終的に融資が得られなかった場合、ペナルティーとして手付金ないし売買代金の20%をとられてしまいます
 また、ローン特約を利用する際には、あらかじめ金融機関に打診を行っておき、融資利用について問題ないという内諾(簡易審査の結果)を受け取ってから買付申込書を提出することによって、買い付け申し込みが通る可能性を高めることができます。
・なぜ融資を受けるのか?
 ローンの借入利子と不動産利回りを比較して、利回りのほうが大きい場合は、そのギャップが「利ざや」になるというのが不動産投資の考え方です。
【現金買いと融資買いのメリット・デメリット】
①現金買いのメリット・デメリット
○安全度が高い
○運用方法として貯金より高い利回りが得られる
○値切り交渉に強い
○物件を即押さえられる
○将来の共同担保として使える(=現金同等物とみなされる)
×資金増加に時間がかかる
×手持ち資金の少ない若い世代には難しい
②融資買いのメリット・デメリット
○短期間で複数の物件取得が可能
○レバレッジ効果により高い利回り(高ROI)を狙える
○現金を手元に残せるので融通を利かせられる
×リスクが高い。破綻の可能性もある
×金利に収益が左右される
・融資に関する基礎知識
 融資を受ける先は銀行などの金融機関です。どの金融機関も同じというわけではありません。融資のハードルの高さと金利の高さは反比例します。金利が低いほうが有利なのは言うまでもありません。
①日本政策金融公庫
 融資のハードルは高いのですが、全期間固定で2%台(2008年3月12日現在)というメリットがあります。また、政府系の場合ほとんど手数料もかかりません。ただし融資は担保登記が終わってからの融資実行となります。つまり、お金を貸してもらえるのは物件を買った後ということ。そのため、政府系を利用する場合は、まず身内か民間の金融機関で短期のつなぎ融資を受けるなどして現金決済した後で、融資を受けるという順になります。
②都市銀行
 次にくるのが三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行などのいわゆるメガバンク。金利は安め、全国の物件を取り扱っているメリットはありますが、融資のハードルは高めです。
③地方銀行、信用金庫、信用組合
 都銀に比べると金利が高くなる傾向があります。全国区ではないので、営業エリア内の物件にしか融資してくれない難点があります。
④ノンバンク
 金利は高めですが融資のハードルは低いというメリットあり。ただしノンバンクや消費者金融でお金を借りると信用力が落ち、ランク上位の金融機関gあ相手にしてくれなくなる危険があります。最終手段として考えるべきです。
なるべく上位の金融機関から順に融資を受けるようにしましょう
 次に融資の種類です。融資の種類は大きく「消費者向け」「投資家向け」「事業向け」お3種類に分かれます。
①消費者向け融資
 代表は住宅ローンです。住宅ローンは金利が低く借入年数も長い有利な商品です。ただ、投資向けではないので、住宅ローンで買った物件を賃貸に出すことは契約違反になる恐れがあれます。しかし、実際には金融機関も黙認するケースが多いようです。
②投資家向け融資
 いくつかの地銀が「アパートローン」「不動産投資ローン」といった投資家向け融資商品を出しています。金利2~4%前後と住宅ローンと比べると高めです。
③事業向け融資
 政府系の融資や通常の銀行からの融資がこれ。金利などの条件は投資家向け融資より有利。まずはこの方法で融資を受けることを考えます。
・金利についての考え方
 銀行融資における金利の基準となる指標としては「短期金利」「長期金利」があります。短期金利は日本銀行の政策で決まり、長期金利は市場(10年物国債)によって決まるものです。変動金利は短期金利を、固定金利は長期金利を基準にしている場合が多い
 返済方式にも2種類あります。
①元利金等払い
 初期のうちは金利の支払いが多く、元本の減りが遅いのが特徴。初期はキャッシュフローが多く残り、ROIが高いが、時間が経つと元本支払いが増加し、返済が苦しくなる。
②元金均等払い
 最初のうちは毎月の返済額が大きくなりますが、元本の減りは早い。当初はキャッシュフローが少なくなりROIを圧迫しますが、後々返済額が減ってくる。
・物件評価の仕組み
 物件評価の仕組みには「積算評価」「収益評価」があります。いずれの面でも高い評価になったほうが、融資が通りやすくなります。
【積算評価の方法】
①土地の評価額を出す
土地の評価額は、「路線価×面積」で計算します。これにさらに各銀行が掛け目と言われる係数(7割、8割など)を掛けて算出します。掛け目は土地の形状によって左右されます。
②建物の評価額を出す
建物は「新築時の1平方メートル当たりの価格×延べ床面積×築年数による減価」で計算します。新築時の1平方メートルあたりの価格は、建物の構造(SRC、RC、木造など)によって異なります。丈夫な構造で築浅であればあるほど評価額は高くなります。
(評価額の早見表)
構造 新築時価格/平方メートル 減価
SRC、RC 200千円 (47-経過年数)/47年
重量鉄骨 180千円 (34-経過年数)/34年
木造 150千円 (22-経過年数)/22年
軽量鉄骨 150千円 (18-経過年数)/18年
※金融機関等により、価格等は異なります。
③土地と建物の評価額を合計する
合計額がこの物件の評価額になります。売買価格に対する評価額の割合が高ければ高いほど、処分価格が高いことになり、金融機関の評価も高く、「お買い得」な物件と言えます。
【収益評価の方法】
収益評価は、不動産を運用することでどのくらいの収益(家賃)を得られるかで価値を算出する評価方法です。満室家賃の6~8割の金額と、融資の返済額(現在の市場金利+2~3%)を比べて、家賃が多ければ安定した収益のある物件とみなし、融資を行うというものです。
・個人審査の仕組み
「物件評価」とともに融資審査の基準となるのが「個人属性評価」。ポイントは
①年収(過去3年の推移を見られる)
②職業や肩書き(上場企業、公務員、士業、有資格者は有利)
③学歴(職業の裏付け程度)
④貯蓄の有無(年収と年齢に応じた蓄財ができているか)
⑤不動産投資の経験(経験者は有利。持っている物件の内容も見られる)
⑥紹介者の有無・紹介者の質

・融資申込書類の作成方法
 最初の融資申し込みでいきなりOKがでることはまずないと考えてください。一つ目の金融機関で断られたら、すぐに次の金融機関に回りましょう。そのため書類は必ず複数セット用意します。
【融資申込に必要な書類】
□物件に関するもの
●住宅地図、路線価図、公図、建物図面、登記簿、評価証明
●マイソク、売買契約書、重要事項説明書
●物件の写真、周辺環境の説明、収支計画
□個人に関するもの
●過去3年分の収入証明(源泉徴収票、確定申告書、決算書など)
●住民票、運転免許証(保険証)などのコピー、履歴書(経歴書)
■ 第6章 購入手続き・賃貸付けはこうする
・購入手続きで気をつけるべきこと

 買い付け申し込みから売買契約までの期間は1週間。この間に、契約書類を読みこなし、価格交渉とともに契約内容を固めていく。
 指し値(値引きした金額)なしの場合は、その値段で、多少なりとも指し値で買い付けした場合、契約手続きの前により具体的な価格交渉が行われます。仲介にはいった不動産会社に契約を急がされるかもしれませんが、慎重に進めましょう。ただ、あまり引き延ばししすぎると交渉権が他の人に移ってしまうおそれもあります。
 売買金額が決まると、売主側の不動産会社により「重要事項説明書(重説)」と「売買契約書」などの書類が作成されます。書類を受け取ってから1週間程度の間に目を通し、疑問点があれば何度でも不動産会社に確認します。
【チェックすべき書類】
①売買契約書
②重要事項説明書
③賃貸契約書のコピー(オーナーチェンジの場合)
④登記簿
⑤管理規約(区分所有の場合)
⑥管理組合の決算報告書(区分所有の場合)

※なるべく早い段階で重説・契約書等のコピーを送ってもらい、徹底的にチェック。自分で目を通すのはもちろん、不動産取引に詳しい知り合いや不動産取引の経験がある司法書士などの専門家に依頼し、チェックしてもらうこと。
・売買契約書・重要事項説明書のチェックポイント
 「重要事項説明書」と「売買契約書」は基本的には同じ事項が記載されていますが、重説のほうがより詳しく記載されている。書類に問題点があればクリアにし、発覚したマイナス要因は値下げ交渉の材料として利用します。
 不動産会社から最初に渡された重説・売買契約書はあくまでも文案です。その内容をもとにリクエストや金額交渉を行い、最終的な契約内容を決定していくと考えてください。
①土地・建物に関する事項
 必ず「所有権」になっていることを確認します。登記の有無も確認します。建物に関しては、床面積を見て、販売資料との相違をチェック。販売資料には壁の厚みも含めた床面積(壁芯)が記載されていることが多く、重説の内寸(壁の内側)で測った床面積と差があることがあります。この差が5~10%程度であれば許容範囲でしょう。
②売主、占有状況、登記簿に関する事項
「売主に関する事項」では、契約当日に本人が来ているか、運転免許証などで確認。
「占有に関する事項」は、入居者がいる場合には、賃貸契約の内容もチェック。
「登記簿に記載された事項」では、所有権に関して、売主と名義が同じになっているかを確認。
③都市計画や土地区画整理事業に関する事項
「市街化区域」になっていればOK。都市計画道路や区画整理事業にかかっていることがきさいされていたら要注意です。
④建築基準法に関する事項
「現況不適格物件」は、建て替え時には現在と同じ面積の建物を建てられません。デメリットなので、値引き交渉の材料として利用します。
⑤敷地と道路に関する事項
 道路の種類には公道と私道がありますが、公道であることが基本。私道であっても「位置指定道路」「42条2項道路」なら、再建築は可能です。ただ、土地の価値は下がります。
⑥ライフラインに関する事項
・ガス…都市ガスとプロパンガスがありますが、オーナーにとっては、ガス機器の導入や修理をガス会社が負担してくれるため、プロパンガスのほうがメリットがあります。
・排水…公共下水ではなく浄化槽を利用している場合、メンテナンスが必要になる。
・水道…新築物件の場合は自治体に水道加入金を支払う可能性がある。
⑦管理・使用に関する規約等(区分所有のみ)
 ここで確認すべきは用途制限、つまり店舗や事務所への転用が可能かどうかです。
⑧管理費、修繕積立金について
 管理費は滞納額がないかどうかを確認。また、管理組合の決算報告書も確認し、健全な経営が行われているかをチェックします。
⑨契約の解除に関する事項、違約金にかんする事項
 ここは最重要ポイントです。「手付解除」「契約違反による解除」「融資利用の特約による解除」など、ペナルティー(違約金)について記載されています。
⑩金銭の貸借に関する事項
ローン特約についての細かい記載があります。
⑪備考欄
その他イレギュラーな項目については備考欄に記載されるのが通常。不利な条件がないか見逃さないように。
 売買契約書と重説はほとんど同じ内容が記載されています。ただ一点違うのは、売買契約書には、土地・建物の金額を記載する箇所があるということです。1棟ものの場合、建物金額は原価償却費に直接影響してくるので、自分の希望も伝えつつ記載してもらいましょう。
 瑕疵担保責任の期間は文面上では2~3ヶ月となっているのが一般的ですが、できれば1年間、短くても半年を主張しましょう。売主が不動産会社の場合、無条件で2年間となります。
・賃貸契約書のチェックポイント
①家賃、入居者
 さしたる理由もないのに家賃が相場より高い場合は要注意。売主が物件価値を高めるため、短期間だけ身内に高い家賃で契約させている可能性もある。
②保証金(敷金)、家賃
 敷金が0ヶ月の物件は注意が必要。そのエリア全体で敷金0が標準になっているのかもしれません。買い手市場で競争が激しいエリアに、新たに参入するのは大変です。
③店舗・オフィスの場合
 店舗やオフィスでは保証金が6~12ヶ月程度が基本。その保証金を前オーナーから引き継ぐことができるかも確認。また、退去時お原状回復が入居者とオーナーのどちらの負担になっているかもチェック。
④契約者の氏名と表札
 又貸しされてしまっているケースはトラブルになりやすい。
⑤家賃のばらつき
 安い家賃と高い家賃が混在していれば、最も入居日が浅い人の家賃が相場の家賃。新しい家賃で利回りを計算し直すことが必要。
・登記簿のチェックポイント
 登記簿は物件の権利関係を表す書類です。その内容はおおきく「表題部」「甲区」「乙区」に分かれています。
【甲区のチェックポイント】
ここでは「売主=所有者」であることを確かめます。そうでない場合は詐欺の可能性も考えられるので注意が必要です。これは契約日に身分証明書を提示してもらいチェック。
【乙区のチェックポイント】
銀行に融資を受けて物件を買う際は、抵当権か根抵当権が設定され、その内容が乙区に記載されます。怪しげな金融業者から借りていた場合、担保権が正常に抹消できるかどうか、確かめましょう。多くの抵当が付いている場合は特に注意します。
・管理規約・管理組合の決算報告書のチェックポイント
 区分所有のマンションを買った場合、管理規約や管理組合の決算報告書もあわせてチェックします。一棟ものを買った場合は、管理規約や決算報告書などは基本的にありません。オーナーが自分で規約を決め、修繕費用なども自分で負担するからです。
【管理規約のチェックポイント】
①ペット飼育の可否
②ピアノ等楽器使用の可否
③灯油ストーブ使用の可否
④フローリング使用の可否
⑤リフォーム時の許可申請の有無
 管理組合では毎年簡単な決算報告書を作成します。決算書の内容を見れば組合運営の健全性を知ることができます。見るべきポイントは、毎年の収支が赤字になっているかどうかです。また、修繕積立金の積立状態も確認。「未収金」が多いと、滞納者が多いということになる。
 また、「積立金の総額」も確認します。総額が異様に少ない場合は、管理会社が倒産したが持ち逃げしたために、ゼロから積み立てをやり直しているといった理由が考えられます
・契約・決済当日のチェックポイント
 買い付け申し込みを出してから契約日までは約1週間。この1週間のうちに契約内容などを徹底的にチェックし、不明点をクリアにしたり、詳細な金額交渉を行ったりします
 契約は不動産会社で行われます。契約日当日に注意することは以下の2点。
①同席者の確認
 同席者は、売主、買主、そして宅建主任者です。売主が本人かどうか(登記簿になる所有者と同じかどうか)を確認する。売主が同席できない場合は委任状とともに、印鑑証明書も見せてもらいます。
②条件変更を飲まない
 条件変更があったら、売買金額や契約書の内容を修正するなりしてもらう必要があります。条件変更があまりにひどい場合は、契約日を設定し直してもらうことも決断する。
 売買契約を結んだ後は、融資申込です。売買契約書、重要事項説明書のコピーを銀行に提出し、融資審査を依頼します。審査が通ったら今度は銀行とお金を借りる契約を交わします。これを「金銭消費貸借契約(金消契約)」と呼びます。お金を借りることができたら、残金を決済。金消契約や決済は銀行で行われます。決済日当日は司法書士が同席し、所有権移転の手続きを行います。決済手続きが終わると不動産会社から鍵を渡されます。
・賃貸付けのコツ
 決済を終えたその足ですぐに物件周辺の不動産管理会社に賃貸付け(入居者募集)を依頼して回ります。賃貸付けまでの期間を最短にするために、以下のことを実践しましょう。
①決済日当日、鍵の引渡しを受けたらすぐに合鍵を作る
②マイソクの金額欄・不動産管理会社欄を消してコピーを取り、家賃、連絡先などを記入する
③賃貸付け管理会社にマイソクと鍵を渡す。引き替えに鍵預かり証を発行してもらう

【ポイント】
・とにかく数多くの不動産管理会社を回る
 仲介依頼は「専任媒介」と「一般媒介」がありますが、基本的には「一般媒介」で依頼します。複数の管理会社に同時に依頼していることを伝え、競争心を煽る。
・マイソク(賃貸募集図面)を工夫する
 入居者にとってのメリットは目立つように記載する。マイソクを自分できれいに作り直してもいいでしょう。
■ 第7章 リフォームして利回りアップ!のテクニックと裏ワザ
・リフォームについての考え方
 普通、金融商品の価格や利回りは、最初から決まっているか市場価格で決められてしまいます。しかし不動産は、交渉次第で値下げすることができ、さらにリフォームという手段を使えば利回りをアップさせることもできます。これが不動産の魅力です。
・物件購入からリフォームまでの流れ
 リフォームには意外と時間がかかります。そのため物件を購入し、決済を済ませてから探すのでは遅い。具体的には、買い付け申し込みを出し、銀行回りを始めたあたりからリフォーム会社選びも行います。物件を購入できる見込みが立った頃には、もう発注して工事日を決めてしまってもいいでしょう。アパート1棟ものの場合、1室だけでも先に終わらせ、その部屋をモデルルーム代わりにする方法もあります。
・リフォームの費用対効果とコストダウンの方法
 収益物件のリフォームは、あくまでも家賃を上げて投資効率を高めるためのもの。リフォーム費用の目安は「値引き幅」と同程度と考えるべき。また、費用対効果の高い箇所に集中してリフォームすべきです。30万円程度の値引きができたら、その30万円を使ってリフォームするということ。
【ポイント】
・内見のために部屋に入った時、すぐに目につくもの
・募集広告のうたい文句にできる設備

ex)モニタ付きドアホン、温水洗浄便座、シャンプードレッサーなど。
 リフォームの費用対効果を高めるためには、上記のような設備を徹底的に安い値段で仕入れることが重要。商品の仕入れコストと、リフォーム会社に払う取り付け・工事コスト、この両面からコストダウンを図りましょう。
①仕入れコストのダウン
→リフォーム会社から物を買わず、直接仕入れる。
→一流メーカーでなく、ランクを下げる。
②取り付け・工事コスト
→リフォーム会社を使い分ける、職人に直接発注する。
・リフォーム会社の選定方法
 リフォームを外注する際は誰に任せるかがポイント。リフォーム会社に任せたほうがいい場合と、職人個人に発注したほうがいい場合があり、使い分けが必要です。
 職人に直接発注すれば中間コストをカットできます。職人を探すには、ネットオークションを利用する方法もある。例えば「エアコン 工事」で検索すると、たくさんリストアップされます。
【支払い時の注意点】
 前金・一括で支払うのは危険。発注する際は工事終了箇所ごとの後払いにすることを確認しましょう。また、見積もりは必ず複数の会社に依頼するのが鉄則です。
■ 第8章 日常の物件管理・運営で注意する10のポイント
・管理・運営のポイント
①税務申告のための金銭出納記録
 不動産を1つでも所有するようになったら、確定申告が必要です。毎年3月の確定申告に備えて、日々の入出金について帳簿管理をすることが大切です。
□金銭出納記録は通帳でOK
 生活用の通帳と不動産投資用の通帳を分けて、不動産関係の取引はなるべく不動産用通帳だけで済ませると、より分かりやすくなります。また税務申告の際の証拠書類として有効です。
□領収書の整理は封筒で
 現金払いのものに関しては、購入時の領収書やレシートを証拠書類として残しておきます。
通帳と領収書の2つを用意しておけばOKです。確定申告の時期になったらそのまま税理士に渡せば申告書類を作成してもらえます。
②入居者フォローについて
 手間のかかる入居者フォローは管理会社に任せてしまうにかぎります。手数料の目安としては、「管理のみ」は家賃の3~5%程度、「滞納保証付き」の場合は家賃の5~10%程度です。
③家賃督促の方法
 オーナーチェンジで購入した場合、滞納保障を付けることができないケースがあります。その場合、管理会社を通じて、法的手続きを行います。
1.本人・連帯保証人に電話連絡(または督促状を郵送)
2.滞納が3ヶ月に及んだ場合は、内容証明で退去警告
3.それでもダメなら訴訟を起こす
4.訴訟の結果、和解勧告が多いが、それでも効かなければ強制執行
④不動産を守る保険の入り方
 オーナーが入る保険の基本は火災保険と地震保険です。銀行から融資を受ける場合、火災保険への加入が条件になっている場合がほとんどです。
 火災保険も地震保険も、長期契約にすればするほど保険料は安くなります。契約期間中に解約してもペナルティーはそれほど多くはないので、ある程度長期で加入しておいたほうがお得です。
⑤管理会社の選び方
【ポイント】
1.管理に強い会社であること
 24時対応で、苦情専門窓口を設置しているような、きめ細やかな管理を行っている会社を選ぶ。管理戸数が多く、独立した管理部門を持っていれば信頼度が高い。
2.賃貸付けの強い会社であること
 賃貸付け(入居者募集)が強い会社を選ぶ。ポイントは、店舗立地がよく、店内が客でにぎわっていること、地域のネットワークをもっていること、など。
3.相談できる、気の合う会社であること
 大家の要望をオープンに聞き入れてくれることもポイントです。
⑥滞納保障サービスの利用方法
 管理会社に支払う管理費内に滞納保証が組み込まれているケースもありますが、そうでない場合は、滞納保障の専門会社を個別に利用します。月額家賃の30~40%を最初に支払えば、2年間の滞納保障を提供してくれます
⑦納税と節税に対する考え方
 税金面では、「納税」と「節税」を戦略的に使い分けることが大切になります。
 攻めの時期は「納税」です。銀行は納税額が少ない人や赤字申告をしている人、脱税している人にはお金を貸してくれません。
 ある程度物件を手に入れて、家賃収入もたくさん入るようになり、これ以上物件を買う必要がないという段階になったら、今度は「節税」に切り替えます。
⑧不動産の売却に関する税金
 不動産を手放したときの差益は「分離課税」となり、所得にかかわらず一定額がかかってきます。
・短期譲渡所得 39%(このうち9%は住民税)
・長期譲渡所得 20%(このうち5%は住民税)

⑨不動産の賃貸に関する税金
 まずは事業税。事業的規模(5棟10室)に達すると「不動産貸付業」を営んでいるとみなされ、個人事業税(5%)を支払う必要が出てきます。納税は不動産事業の所得金額から290万を超える部分に対してかかってきます
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